Monday, July 23, 2012

Rats And The City

先日、ニューヨークではねず みに遭遇するのは日常茶飯事だというお話をしましたが、その数、何百万匹と言われています。そのためニューヨーカーの間でねずみの話題は絶えず、本日付 (7/23/12)のニューヨークタイムズ紙でも話題になっていました。それによると、一匹のメスねずみは一度に5~6匹の子供を年に5~10回出産する のだそうです。そして、その子ネズミたちも10週間も経てば同様な繁殖行為をしていくらしく、子ねずみの半数がメスだとして、計算すると…恐ろしい数字に なります。その駆除に関して市の衛生局も頭を悩ませているところですが、本日のお話は、街中を走り回る小さなネズミ(mouse)たちではなく、街中に突 如現れる、巨大ねずみ(rat)の話です。
人間よりも大きくて不気味なこの巨大ねずみは、決して走り回らず、道路に背を向け、眼光鋭くビルディングをじっと睨み続けています。

初めて遭遇する皆さん、怖がらないで。1日中じっと座り続けて役目を終えると、空気を抜かれ小さくしぼんで、車で帰って行きますから。そうです、 ニューヨークではInflatable Rat(膨らむねずみ)として有名なこのねずみは、空気で膨らますタイプのバルーンなのです。

いろんなバルーンを貸し出しているレンタルバルーン屋さんがあり、いろんなイベントに持ち出されるのですが、このねずみは、別名Union Rat(組合ねずみ)と言って、主にニューヨークの労働者組合の抗議やストライキの際に使われます。先日、組合ねずみの傍に座っている女性に「これは何で すか?」と質問すると、
「このビルの家主は、組合に加入している建設業者を使わずに、非加入の業者を使っているので抗議しているんですよ。非加入の労働者は賃金や保険も抑えられているので、労働条件が悪くなるんです。私たちは、彼らのためにも抗議しているんです。」
と言って、更なるインフォメーションが載っているビラを渡して、その連絡先に電話してくださいと言われました。こうやって、巨大ねずみで道行く人の関心を 集め、ビラを配り、時には看板を持って大きな声を上げながら、ビルディングの前でぐるぐるとデモ行進をします。これでは、ビルディングのオーナーはたまっ たものではありません。一見、ユーモラスにも見えるバルーンねずみですが、家主側に「これは違法行為だ!」と訴えられて法廷闘争にまでなっています。しか し、2011年5月には、オバマ政権における労働省が、限定的な表現ではあるけれど「巨大ねずみを設置することは違法ではない」と認めました。どうもこの 1年の間に、巨大ねずみを見る機会が増えたような気がしていたのはそのせいでしょうか?それとも、バルーンレンタル業者の営業が成功しているのか。
い ずれにしても、ニューヨークでオフィスやレストランを開設したいとお考えの皆さんは、この組合を無視することはできません。いくら、工事費を抑えたくても マンハッタンの多くのビルディングでは組合の労働者を使わないといけないので、非常にコストがかかるのです。内装工事、配管工事、電気工事、どれ一つを とっても組合が出てきます。マンハッタンの商業ビルディングはクラスA~Cとランク付けされており、日系企業が入るような最も質の高いクラスAのビルディ ングに出入りしている業者は、まず組合に加入していないことはありません。そのようなビルの1~2階や地下の商業スペースにレストランやお店を開く場合も 同じことです。ときには、どうしても組合業者は使わず、コストの安い組合非加入業者を使いたいと言われる方もおられますが、それはできません。
ビルディングの正面にバルーンねずみを置かれたって、デモ行進されたって、無視すればいいじゃないか、別に、本物のねずみのようにかじったり襲ってきたり するわけじゃなし、と思う方もいらっしゃるかもしれません。家主にとって困るのは、風評被害より、これらの組合が実際に作業をしている働きかけて、作業を 中止させてしまうことなのです。そうなるとどうしようもありません。契約の段階で無理やり家主にねじこんで、非組合業者を使うとしていても、いざこの巨大 ねずみが現れると作業が中断し、途中から組合加入業者を使うことになり返ってコストがかかることになりかねません。
ねずみとは、切っても切れない関係にあるニューヨークです。住宅探しも商業物件探しも、無防備にやっていると子ねずみや大ねずみに襲われるかも?!
ご相談は、確かな知識と経験でサポートする住友不動産販売ニューヨークで。
(住友不動産販売ニューヨークインク 森重明子)

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