Tuesday, September 11, 2012

東京タワーとエンパイヤーステートビル どっちが高い?

マンハッタンの中で生活していますと、たえず高層ビルに囲まれているせいか、あまりビルの高さを意識しなくなってしまうようです。先日、友人に「東 京タワーとエンパイヤーステートビルではどっちが高いか知っているか?」と素朴な疑問をかけられ、当然東京タワーだろうと答えてしまいました。最近はめっ きり東京スカイツリーに高さの象徴の座を奪われてしまいましたが、昭和世代の自分にとっては、富士山をバックにそびえるその雄姿は記憶に焼きついていま す。
ところで解答はといいますと、東京タワーが333mでエンパイアステートビルが432mとかなりの違いであります。あまりにもマンハッタンに高層ビルが乱立していることで、その高さがあまり感じられなくなっていたのでしょう。
ここで注目されるのは、その竣工された年代です。エンパイアステートビルが1931年、東京タワーが1958年ですから約30年も先に巨大な建築物 をアメリカが建設していたのです。なぜアメリカがこれほどの建築物を建設できたのか? それは、地層の違いが非常に大きく影響していると思われます。マン ハッタンの高層ビルは御存知のように非常に古い洪積世の岩盤の上に直接建設されているため、建築物を地上に固定するのが比較的容易です。ところが首都東京 にいたっては、新宿の西側に関して10メートル程度、東雲などの湾岸エリアにおいては80メートル程度の杭を地下に打ち込まなくては東京礫層という岩盤に 到達しないのです。このような土壌環境と地震が頻繁に起こりやすい国土という2つの外的要因が戦後の日本の建設技術を一挙に成長させたのだと思われます。 現代では、特に高層ビルの耐震技術に関しては日本は世界一といわれています。
この双方の独特な土壌が、後の建築基準法に大きく影響を及ぼしているように思います。その一番分かり易い例が容積率です。容積率とは建物の延べ床面 積を敷地面積で割ったものであり、建物のボリュームを決定します。東京港区の平均容積率が300%程度に比較してマンハッタンでは2,000%を超えるエ リアも存在します。あまり知られていないことですが、日本一高い横浜ランドマークタワーでもその高さは300mを超えていないのが現状です。話が戻ります が、80年前に建てられたエンパイヤーステートビルより高い建築物は現在の日本に存在しないのです。
このような恵まれた地質のおかげで、このマンハッタンという景観的に魅了的な街がつくり上げられているだけでなく、マンハッタンの東西を流れる川による岸辺への浸食や雨水による土壌浸食を防ぐといった安全面においても岩盤構造は大きく貢献しているのです。
もしもマンハッタンが東京と同じような地質であったら、マンハッタンは世界の中心ではなかったかもしれません。
Soichiro Minami 住友不動産販売NY

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