Sunday, November 25, 2012

ハリケーンサンディと入居者の賃料を払う義務について

ハリケーンサンディはアメリカ東海岸に大きな爪跡を残しました。この度の災害で被害に遭われた方にはあらためてお見舞いを申し上げます。
さて、眠らない街として有名なニューヨークも停電のために一部真っ暗になりました。停電により暖房も水もなく、不自由を余儀なくされた方々の中には、「そ の間の家賃も払わなければならないの?!」と疑問と不満を募らせていらっしゃる方もいらっしゃるかもしれません。ここに、よくある質問とその回答形式で、 ニューヨーク不動産協会住宅部門のパートナーであるNeil B. Garfinkel弁護士の見解をご紹介します。
1. 暗黙の居住適性保証とは何ですか?
ニューヨーク不動産法のSection 235-bによると、人間の居住や当事者の合法的な用途に適しているという前提で契約がなされる住宅のリースにおいては、暗黙の居住適正保証(the Implied Warranty of Habitability)というものがあります(以下「保証」)。この保証の下で、入居者は自分たちの生命や健康や安全を脅かすものを受けずに済んでい るのです。
入居者には、住みよくて、安全で、衛生的なアパートに住む権利があり、この保証は入居者の健康と安全に実質的に影響を及ぼす状況から入居者を守ってくれま す。保証の違反の例として、暖房やお湯を常に提供することができない、水漏れやカビが発生する、配管問題、高層住宅においてエレベーターが動かない、害虫 の駆除ができていない等が挙げられます。
家主が快適環境を全て保証するものではありませんが、建物は居住者が常識の範囲で受けられると期待するようなサービスを備えていなければなりません。
2. 保証はサンディのような天災に起因する状況に適用されますか?
保証の及ぶ範囲は非常に大きく、第三者の行為やと天災のような家主にとって不可抗力である状況にも適用されます。居住適正保証では、その建物を居住 可能であるようにしておく無条件の義務が家主にあるので、家主は第三者の行為や、サンディのような天災に対しても保証をしなければなりません。
3. 入居者は住宅契約の居住適正保証を放棄することができますか?
いいえ。保証を放棄するとしている契約のどのような条項も、公共政策に反します。例えば、家主の支配を超える原因に対して家主の責任を制限するような住宅契約の条項は、「家主が保証を放棄した」と入居者が主張してもいいのです。
4. 家主が居住適正保証に違反する場合の救済方法は何ですか?
保証違反の際の損害賠償で最もよく適用されるのが、賃料の減額です。保証違反があった場合、入居者は賃料減額を求めて訴訟を起こしてもよく、賃料を 払ってから金銭賠償を求めてもよく、または、裁判所がその物件の適正賃料を決定するまで賃料の支払いを差し控えてもよいのです。どの入居者も前述の権利を 行使する前に弁護士と相談すべきであるということは忘れないでください。
5. 居住適正保証は転貸や賃貸されているコープやコンドミニアムにも適用されますか?
はい。転貸や賃貸は、保証が適応される家主-入居者の関係になります。
以上がGarfinkel弁護士の見解です。これによるとサンディによる停電で快適な居住環境が脅かされた皆さんは、家賃の減額を求められるようで すが、その前に弁護士さんに相談してくださいとのことです。減額料金と弁護士料金を測りに掛けると…。訴訟大国アメリカらしい考えですが、自然災害の多い 日本に生まれ育った私たちは、つい仕方がないと諦めてしまいますよね。もちろん、被害の度合いにもよりますが。
自然災害ではありませんが、私の住んでいるアパートでエレベーターが故障して、一ヶ月半も6階まで階段を昇り降りしなければならないときがありまし た。そのとき、確かに「家賃を減額しろ」と訴えている住人もいたようです。私も最初は不満たらたらだったのですが、だんだんと慣れてきて結果的には健康増 進とシェイプアップに役立ったと得した気分になりました。かと言って、エレベーターが直ったら、二度と階段は使わなくなりましたけどね^^;
森重明子(住友不動産販売ニューヨークインク)

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